点滅フラグメント

Posted on 2020-06-17 in zakki

電気が切れかかっている。

比喩でもなんでも無くて、私の頭の上にある家の明かりのことだ。何だか今日はやけに電気がちらちらとするなと思ってみればこれだ。下からその明かりを浴びている私からすると、数分に 1 回点滅しているかたちでさすがにこの状態は気になる。

この明かりは現在の住まいに越してくる以前、学生時代のアパートからの引っ越しのときに私物として持ってきたものだ。それを今の今まで続けて使っている。ここに越してきたとき、備え付けの明かりのフォルムが何だか異様に古臭くて、それでいて明かりを付けても全体的に部屋が暗かったことをどうにかしたい故の大抜擢だった。そんな明かりの由来はしっかりと記憶に残っていることに比べて交換した記憶はまったく無い。無精を地で行く私もさすがに部屋が暗い状態が続くのであれば重い腰を動かして交換作業に精を出すと思うし、おそらく単純に交換した回数が少ないことが理由なんだろう。思えば実家のときにも蛍光灯の寿命が来れば交換しているのだろうが、その姿や体験についてはあまり記憶が無い。思い起こそうとすればするほどレアな体験だなという気になった。

ここに根を下して 10 年以上になる。引っ越したいという欲が無いと言えば嘘になるけど、それはいわゆる「何も考えず費用もかけずパッと出来たらしたいよね~」という塩梅の欲であり、絶対に引っ越しをするんだという鼻息の荒いものではない。そして引っ越しをしようと意気込む自分自身の姿がまったく想像出来ない。おそらくそれは私の心の何処かが強く抱いている「行動の不要さ」に対して、私が寄せる信頼がものすごく強大だからだ。面倒くさいこと、と言葉で表現すればそれまでなのだけど、ここ数年どうやらそれだけの問題ではないよなあと思っていて、ただそれをちゃんと言葉にはできていない。言葉に出来ないまま、この 10 年以上の住まいで今も低空飛行している。少しでも考え方や気持ちが前に進むベクトルを持っていたりすれば、頭の上の明かりのかたちぐらいは、10 年来のものとは変わっていたりするのだろうか。

とここまで書いたところで、点滅が止み明かりが消えてしまった。多少位置をガチャガチャいじれば、騙し騙しではあるけどまだ光りだすのだろうなと薄ぼんやりと思っている。でもせめて部屋を照らすものぐらいは明るくしていきましょうよ。32 型と 40 型ね。うんうん。覚えた。

雑談